書き留めたいことを書き留めたいように

起業支援ネット×よのなか×わたし

「身の丈」でいるためには胆力が要る

5月末で、起業支援ネットも20期目の事業年度を終えました。(法人設立は1999年なので、法人としては19年なんですが、途中で事業年度の変更をしたために、一応期としては20期を終えたことになります)

今期はささやかですが、なんとか賞与の支払いもできました。よかったです。。。

 

現在、総会の準備などをしていますが、今年度の方針には、1項目目に

「身の丈の起業・事業を身の丈で応援することを、すべての判断・行動の軸とする」

と書きました。

実は、ここ数年、ずーっと「うちは身の丈でいきますーーー!!!」ということを書き続けてきたので、もう正直書くことない、「今年度もいろいろちゃんとやります」とだけ書きたい、とすら思ったのですが(笑)、そういうわけにもいかないので、やっぱりこういう表記になりました。

 

「身の丈」を標榜していると「そうだよね!」と言ってくださる方がいる一方で、「本当にそれでいいの!?」という反応をいただくこともあります。

時々、法人運営等についてのヒアリングを受けたりしますが、「いいスタッフに恵まれて、それぞれの得意分野を活かしながら、日々ご機嫌に仕事をさせていただいております!」みたいなことをお話しすると、ちょっとがっかりされるような(笑)。

社会課題解決にまい進するNPOは、常に人材不足、資金不足に悩んでいなければならない…というような空気感を感じることもあります。ま、うちも何も問題がないわけではありませんが、起業支援ネットがやるべき仕事をやるべき形でさせていただいていて、本当に各方面には感謝しかありません。

 

身の丈って別にチャレンジしないっていうことではなくて、するべきチャレンジを自身(個人でも組織でも)が最大限活かされるような形で選んでもよいと心得る、ということだと思っています。

 

そうすると、世の中で起こっている様々な事柄に対して、またご依頼に対して、断ることもあるし、関わらない選択をすることもある。

その道を選ぶということは、常に自分自身に問いかけるということでもあって、

・ただ、サボっているんじゃないのか

・ただ、わがままなだけじゃないのか

・身の丈にこだわるあまり、誰かに迷惑をかけているんじゃないのか

という問いは、わたしの中でもいつもぐるぐるしています。

 

…だから、胆力がいるなぁって思うのです。

やらないという決断は、やるという決断よりも、難しいことが多いから。

自分自身の中にも、身の丈を超えたものに対する憧れもあったりするから。

 

でも、やっぱり、これまでいろんな人や組織や場面や事業に出会ってきて、身の丈は大事だと思うので、誰に何と言われても、思われても、自身(個人も組織も)の一番大切なものが損なわれないような選択をし続ける、ということは、これからも大切にしたいところです。

 

そういえば、2014年の活動方針にはこんなことを書いていました。

コミュニティビジネス・ソーシャルビジネスが少しずつ社会の中に定着するに伴い、その「成果」への「評価」についても、新たな局面を迎えていると感じており、その評価の在り方自体が新たな社会課題を生み出しかねない状況には危機感を感じている。

 思えば、起業支援ネット立ち上げ時にも、また起業の学校を開校した折にも、「支援対象を選ばない」(むしろ、支援対象から選んでもらうことを目指す)とした方針には賛否両論があった。しかしながら、常に起業支援ネットは「必要としてくれる人材や組織があるならば、そこで彼らとともに最善を尽くす」という道を選んできた。それは、社会課題解決を志すことにおいて、より早く効果的な手段を求めるという発想そのものが、社会課題を生み出してきた構造と酷似していることへの私たちなりの答えでもあった。

 「変革は弱いところ、小さいところ、遠いところから」という言葉の意味を今一度しっかりと噛みしめつつ、「自らが社会のリスクを引き受けて新たなコトを起こすと決意した人材や組織」への敬意を決して忘れることなく、また自らの支援の力量を上げるよう最大限の努力を怠らず、心して支援に向き合いたい。

 

今でもその気持ちは変わらない。

だからこそ、胆力をあげていきたいと思う。美味しいものも食べて。本当に思うことを語り合って、笑いあって、ご機嫌に生きるのだ。どんなに目の前に嵐や荒野が広がっていても、その先に光があることを、まずは自分自身が信じるのだ。

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※昨日食べた美味しいものの一部!